P.I.STOCKFILE | INTERVIEW/ 01.02 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
PROFILE/
菅野よう子
菅野よう子
早稲田大学在学中にバンド『てつ100%』のキーボードとしてデビュー。解散後、作曲家として活動を開始し、『マクロスプラス』でアニメーション音楽に初挑戦。代表作に『MEMORIES』『ブレンパワード』『カウボーイビバップ』『ウルフズ・レイン』などがある。また声優の坂本真綾への楽曲提供でも知られている。
佐藤 大
佐藤 大
作詞・小説・企画・放送構成・脚本とメディアを問わない活動を続ける執筆家。『カウボーイビバップ』では設定協力、脚本、コミックスの原案、LD・DVD封入のライナーノーツの執筆、リミックス盤の企画などさまざまな形でかかわる。現在は『攻殻機動隊S』のほかに『ウルフズ・レイン』の脚本も手掛けている。
INFORMATION/
STAND ALONE COMPLEX O.S.T.
STAND ALONE COMPLEX O.S.T.
リリース情報はこちら
FOOTNOTES/
注5)第15話『機械たちの時間』
菅野よう子(YOKO KANNO)×佐藤 大(DAI SATO)02
    < BACK NEXT >
13. some other time (Gabriela Robin)
―佐藤 かつて無いほどの明るさがありますよね。
―菅野 これは8話でアンドロイドのジェイムスン型が出てきたときに、夕焼けをバックに車乗ってしょうもない捜査に行く人たちの、なんか「今日も一日やりますか」みたいな感じのイメージで。でも、この曲はどこで使うんだろう?
―佐藤 そうですねぇ……。僕、最近はこの曲が大好きなんですよ。
―菅野 その顔して、結構ロマンチストなのね。
14. beauty is within us (Scott Matthew)
―菅野 素子の過去とかはっきりは解んないんだけど、体を作り替えたっていうことは、よっぽど前が嫌だったんだろうなって思ってて、だからそういう風に生んだお母さんに「なんでこんな運命に産んだんだよ」っていう気持ち。だから2話はすっごい合ってたと思うんだけど。なんていうか、歪んで生を受けた気持ち。
―佐藤 ああ〜。じゃあピッタリだったんだ。勘が鋭いな(笑)。素子もそうだし、2話に出てきた加護もまさにそうですよね。だから素子がラストに加護の脳を焼き切ったとき、珍しく感傷的なことを言うじゃない。あれは、自分と重ね合わせてるんだと思うよ。
―菅野 なんか深いよね。
15. we're the great
―菅野 これはね、荒巻カッコイイじゃんっていう。「オレたちわりかしサイコー!」みたいな(笑)。皮肉も混じりつつね。
―佐藤 おお、じゃあそのまんまですね。『全員集合』な感じかなって思った。そんなに本気で“great”っぽくない。ある種ギャグみたいなそういう気がしましたね。
―菅野 そんな荒巻さんたちがテーマです。
16. モノクローム (Ilaria Graziano)
―菅野 これはすごい個人的に作った。あんまり『攻殻』とか考えてない。
―佐藤 どういうふうに? これも“予感”とかそういう笑い男に近い感じがしたんですけど。
―菅野 これは“モノクローム”っていう詞を最初にコンセプトとして作って。完璧に詞先。詞を書いてもらって、それに曲を乗せてる。オレはどっちかというと素子のナイーヴな部分というか。機械の目なのか生身の目なのか解らないけど、それを通して見て物事が白黒に見えたり、カラーに見えたりとかっていう透明なガラス玉みたいなイメージ。そして、そんな機械の目に、誰がソウル<魂>を教え吹き込むの? っていう問いと。
――― 今後は出来た作品を観て作っていくことになると思うんですが、次回のリリースの予定などはあるのでしょうか?
―菅野 次はタチコマ君。
―佐藤 ははは! タチコマ君で1枚作るんだ! すごいね(笑)。
―菅野 え? なんで。ダメ?
―佐藤 いい! サイコーです(笑)。でも何処がそんなに気に入ったの?
―菅野 なんか、頑張ってるトコ。
―佐藤 タチコマ君の回(注5)、泣いた?
―菅野 泣いた〜。でもさあ、けっこうあっさりとしてるよね。
―佐藤 うん。未練がないんですよ、この脚本。あれは菅野さんのために書いた、みんな。
―菅野 うそ、マジで?
―佐藤 菅野さんを泣かそうと。「どれだけタチコマを好きになってもらえるか」っていうね。
―菅野 好きーー。だからタチコマのために1枚作ろうと思って。
  PAGE UP < BACK NEXT >
(c) Shirow Masamune. Production I.G / Kodansha